作ってるのよ 1 |
お客さんから財布の仕様変更に関して
「カードを横向きにできないか」とか、
「小銭にマチを付けられないか」とか、
「輪郭にステッチが欲しい」とか、
色々な問い合わせがあります。
その殆どに「できません」と返答します。
しかし、実際にデキない訳では無く
やる意味がないと言うか、
見ている方向が違うと言うか・・・
製品全体に関係するので説明が超長くなるし、
理解してもらうのも中々難しいし。
なので今回から8回に分けて
財布に関して書いてみようと思います。
財布が一番分かり易いかと?
一般の革製品とはチョット考え方が違うので
意味不明な部分もあると思いますが、
少しでも理解して頂ければと考えています。
財布購入を検討中の方は
是非最終回までお付き合い下さい。
「チッ! 購入しちゃったぜ」な方 m(_ _)m
財布を作り始めた頃
「他とは違う物」を強く意識しました。
個性の強い革を使い、フタの留め方も
先細りの三つ編み・革ヒモ・真鍮リングなど。
内側のバネホックを隠したくて色々考えた結果
今のフタの留め方の原型が生まれました。
よく売れて、徹夜もしょっちゅうでした。
全部手縫いで1万円以下だったから当然か。
売り上げは今と比べ物にならない程あったけど、
まったく採算が取れていませんでしたね。
全てが自己満足だった気がします。
でもこれ、個性的なのは外観だけ (゚Д゚;)
札やカードのサイズは決まっています。
機能的な仕様を平面図にすると
普通の財布と同じな訳ですよ、
つまらないですよね、つまらない!
そこで作り方や機能を見直して変化?
進化?したのが現在の財布、画像1です。
※ 画像はクリックすれば大きくなります。
画像2( 背面 )
背面はフタと本体の接続部分ですが、
これも角や端には掛かっていないので
擦り切れることはまずありません。
他は全部内側で縫っているので
これも切れることは有りません。
財布本体の革厚は約1.8㎜、一般的には
薄く漉いた革を表裏2枚合わせて縫っています。
補強したい部分には芯地も挟んでいるので
丈夫そうに感じますがバラせば薄い革です。
縁を包む部分はもっと薄く、よく動く所や
擦れる場所はすぐに切れてきます。
1枚革で2㎜前後の厚さがあれば十分と判断し
eureka は1.8㎜の革厚で製作しています。
初回は内縫いと革厚に関して簡単に。
機能・外観共、微妙に癖があります。
検討材料にして頂ければと思います。
eureka は作りがザックリに見えるけど、
意外と細部まで考えて・・・